土、木、煙、柑橘が香る精油

A&P LE JOURNAL MARS 2024

本日ご紹介するのは 、ベチバーです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。

来る春に想いを馳せながら、かつてハイチに香り探しに出掛けた時に見つけた、ウッディで少しスモーキー、そして柑橘の香りを持つ、背の高い草の育つ野原の風景を思い出していました。 

 

 

VETIVER(ベチバー)

Vetiveria zizanioides

科名 : フトモモ科
採油部分 : 根
収穫時期 : 1~7月

 

ベチバーはイネ科の植物で、その背の高さは2メートルに達することもあります。香りが隠されているのは、繊維質の多い根の部分。荒々しさと共に繊細さを供えた香りを含む根も、長さ2メートルに達することがあり、細い毛むくじゃらの根を地中に深く覆うようにして伸ばしています。

ベチバーという言葉は、「掘り起こされた根」を意味するタミル語で、「vettiveru」に由来します。ハイチ産のベチバーは、フレッシュでビターな柑橘系の香りを持つことでジャワ産のベチバーとの違いがあります。そのため、ベチバー特有の土の匂いや木の温かさ、ほんのりとスモーキーな特徴を包み込み、調和のとれた香りであることが特徴です。

収穫は、土に植えられた12~18か月後に行われ、地表の高さで刈り取られます。この刈り取られたベチバーの房は、手工芸品の材料として使われます。ベチバーの房が刈り取られた後に残った部分が、芳香が含まれている部分。つるはしを使って掘り起こされ、土を払いのけられ、香りを含む根の部分が集められて、その他の株の部分は再度土に植え直されます。この後、根は洗浄され、日陰で干され、蒸留器にかけられ、純粋なベチバー精油が得られます。

ベチバーはインドが原産ですが、時間と共に、熱帯地域で生育するようになりました。現在では主にインドネシアとハイチで生産されています。ベチバーの主要な栽培地として知られるのが、ハイチのレカイ地域です。当社のベチバーは、世界の資源を守るための国際的な協力機関(NRSC)の活動の一環として生産されています。具体的には、生産者へのよりよい報酬を用意し、収穫前にその一部を支払うことで、土壌問題の解決策を見出し、生産に関わる処理コストと環境へのダメージを最大限に抑える努力をするというものです。

ベチバーは、さまざまな香水に用いられています。その多くは男性向けに作られるものですが、ウッディノート、シダーウッド、アンバーノートと共に処方に組み込まれます。また、ベチバーの精油はしばしば、香水の香りのよさをアピールするためにも用いられています。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :黄褐色~赤褐色の粘性の高い液体

主成分:イソバレセノール、クシモール、αベチボン、βベチボン、βベチネン

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME