冬の終わり、思い出の風景
A&P LE JOURNAL FEVRIER 2024
本日ご紹介するのは、フランキンセンスです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。
冬の終わりを感じながら、ソマリアを訪れたことを思い出していました。青空に映える複雑な形をした緑の葉。ダイナミックな枝を持つ幹。フランキンセンスの木々のある風景の中にいた私は、スパイシーでウッディな香りを放つ樹脂が、木の肌の奥深くで脈打っていることを感じ取っていました。
Boswellia carterii
科名 : カンラン科
採油部分 : 樹脂
収穫時期 : 12、1、2、3月
フランキンセンスは、複葉を茂らせる低木です。複葉とは、1つの葉が複数の部分に分かれている形を持った葉のことです。樹皮の下には樹脂の流れる経路があり、樹脂は熱によって自然に樹皮上に滲み出します。
ソマリアでは、乾季(葉をもたない時期)にタッピングが行われます。これは木に切り込みを入れる作業で、その作業が終わってから10~15日間、木から樹脂が滲み出てくるのを待ち、収穫は2~3週間後に行われます。収穫したら、その後再び新たな樹脂を得るために、新しい切り込みが入れられます。
当社のフランキンセンス精油の収穫は、ソマリアの「フランキンセンスの谷」で行われます。ベンゾインと同様、木の表面に切り込みを入れて、空気に触れて固形化する樹脂を集める、これが収穫作業です。樹脂が滲み出るのを待ち、固まった樹脂を集める。その後の作業は、不純物を取り除いて乾燥させることです。樹脂の色合いは様々で、大きさも数ミリから2センチほどと様々で、これらをサイズと色ごとに手作業で選別し、12週間、乾燥させるために保管します。
フランキンセンス精油は、非常に持続性の高い樹脂の香りを持っています。あたたかさがあり、レモン様かつブラックペッパーノートを持つウッディでバルザミックな香りがします。この精油が持つウッディノートの特徴を一言で言えば、フレッシュさを併せ持ったバルサミックさといえるでしょう。
樹脂の香りのミドルノートには、エンコースティック、つまり蝋のような香りや洗剤のような香りを感じとることができます。ラストノートには、樹脂ならではの深みやテルペンの香り、わずかにアロマティックノートも感じ取れるでしょう。
香水の処方に使われるようになってから、香りに輝きを与えるフランキンセンスは常に、オリエンタルアコードを構成する重要な香料とされてきました。ウッディノートの人気が続く近年、さらに注目が集まり、多くのオリエンタル香水に使用されています。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :黄色~薄黄色の液体
主成分:αピネン、αツエン、リモネン
使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品
Jean-Claude DEYME