春の陽気とレモンの木

A&P LE JOURNAL AVRIL 2024

本日ご紹介するのは 、プチグレン・シトロニエです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。

春の陽気を心地よく感じながら、イタリアに出掛けた時のことを思い出していました。背の低いレモンの木に咲く白い花。とげを持つ枝と輝く緑色の葉。プチグレン・シトロニエは、このレモンの木の葉から抽出される精油です。すっきりとした柑橘の中に、ほんのり花の香りを感じとることができます。 

 

 

PETIT GRAIN CITRONNIER(プチグレン・シトロニエ

Citrus limon

科名 : ミカン科
採油部分 : 小枝、葉
収穫時期 : 13月、568912

 

輝くような黄色の柑橘の果物、レモンは酸味と爽やかな風味を持つことで知られています。常緑樹であることから、一年中、レモンを実らせます。シトロニエとは、フランス語でレモンの木のことを言います。この木の枝にはとげがあり、枝は光沢のある緑の葉に覆われています。

白い花を咲かせる前のつぼみは、淡いピンクや紫色をしていて、軽やかでうっとりするような大変心地よい香りを放ちます。

レモンの果皮からはレモン精油が得られます。果皮に精油がたっぷりと含まれているため、手で軽く果皮を抑えるだけでも、レモンの爽やかな香りがはじけ出しますが、低温圧搾法というレモン精油に用いる抽出法はごく簡単な採油法で、この原理を利用したものです。

対して、プチグレン・シトロニエは、レモンの葉を水蒸気蒸留した精油です。一般的にプチグレンといえば、プチグレン・ビガラード(オレンジ・ビター)の木の葉から採れた精油を指しますが、プチグレン・シトロニエ精油はレモンの木の葉から得られるものです。いずれの葉も、またレモンの果実も、一年中収穫することができます。

ところで、レモンを指す「Limon」という言葉は、サンスクリット語の「nimbù」に由来します。それが、ペルシャ語で「limùn」、アラビア語で「laymûn」、次にスペイン語で「lima」、そしてイタリア語で「limone」と変化していきました。

フランス語ではライムのことを緑色のレモンと呼びますが、一般的なレモンではなくこのライムを指す言葉として「lime」が用いられます。

レモンの原産はインドであり、古代ヨーロッパにおいてはまだ知られない存在でした。つまり、ローマ人はオレンジもレモンもベルガモットの存在を知らなかったということになります。アレクサンダー大王は、アジア遠征から戻った後、柑橘類を初めて地中海盆地に迎え入れましたが、それはレモンではなくセドラだったということです。レモンは12世紀にパレスチナとペルシャに伝わります。そしてその後ようやく、ヨーロッパに迎え入れられたとのこと。

イタリアでは長い間、シチリア島やカラブリア州が気候に適しているために、これらの土地が今も変わらずレモンの産地となっています。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :薄黄色~黄色の液体

主成分:ゲラニオール、シトロネラール

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME