深まる秋の心地よい香り

A&P LE JOURNAL OCTOBRE 2024

本日ご紹介するのは 、マンダリンイエローです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。

秋が深まるこの頃に、よく思い出すのがイタリア南部を訪れた時のことです。11月の太陽とは思えないほど陽気な風景の中に、深い緑色をした葉に覆われた果汁たっぷりの黄色いマンダリンの実がなるマンダリン畑が広がっていました。そして蒸留工場を訪れると、数々の香水に使われるこの精油の、シトラスノートに少しスパイシーな要素を感じるマンダリン特有の香りでいっぱいでした。

 

 

MANDARINE JAUNE(マンダリンイエロー

Citrus reticulata

科名 : ミカン科
採油部分 : 果皮
収穫時期 : 10月~11月

 

甘くて誰もが大好きなマンダリンは、小柄なマンダリンの木に育つ柑橘の果物です。この果実樹の葉は、つやのある深緑をしていますが、そのほかの柑橘の木に比べると小さめです。花の香りは馨しく、黄味のかかったオレンジ色の、丸みを帯びた果物をもたらします。植物学的には、タンジェリンにとても近いものの、タンジェリンの方が果皮の色により太陽に照らされたような赤みがあるという明らかな違いがあります。マンダリンの皮をむくと、果皮に含まれた精油のつまった粒がはじけて心地よく爽やかな香りが広がります。

マンダリンイエローは、グリーンノートを含むシトラスの香りがします。

原産は東南アジア、中国とベトナムです。マンダリンは、中国と日本で、何世紀にもわたって生産されてきました。ヨーロッパに渡ったのは、19世紀です。以来、イタリアで生産範囲が広がりましたが、ベルガモットとスイートオレンジの生産は、シシリア島とカラブリア州に定着しています。

マンダリンという呼び名は、原産地である中国に由来するようです。かつての中国帝国で高位の支配者をマンダリンと呼んでいましたが、彼らの着ていた服がオレンジ色だったことに関係しているといわれています。

 

採油方法:低温圧搾法

外観 :緑がかった黄色からオレンジがかった黄色の液体

主成分:リモネン、γ-テルピネン、α-ピネン、β-ピネン

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME