身も心も守ってくれる、バジル

A&P LE JOURNAL OCTOBRE 2024

本日ご紹介するのは 、バジルです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。

秋の到来を思いながら、南フランスを旅した時のことを思い出していました。プロヴァンス地方で広く使われる、この格別な香りを持つハーブの歴史と文化に触れて、何とも忘れがたいひと時を過ごしたことがあったのです。簡単にいえば、極上の料理を食べた時のこと。特別だったのは、この葉を育てる国から来た取引き先のインド人と一緒で、彼から様々なバジルの物語を聞いたことでした。

 

 

BASILIC TROPICAL(バジルトロピカル)

Ocimum basilicum

科名 : シソ科
採油部分 : 全草
収穫時期 : 7月~10月

 

水蒸気蒸留をすることによって、草むらのような青い匂いと、アニス、樟脳、クローブの香りが絡みあう、この力強くフレッシュな香りが得られます。生き生きとした様子がそうさせるのか、調香師の間で非常に人気がある精油です。

バジルはシソ科の一年草で、インド原産です。ヴィシュヌ神とクリシュナ神に捧げられた神聖なハーブとされていて、身に着ける人の身体も心も守るといわれています。

名前は、繊細な香りの素晴らしさが偉大な王にふさわしいものであるとされ、「王室」を意味するギリシャ語、「basilikos」に由来しています。

古代、人々はバジルが邪悪な目から身を守ってくれると信じていました。エジプト人がバジルで作った冠を作ったのは、おそらく、身体のうちの頭の近くに、この植物が驚くべき効果をもたらすことを知っていたからでしょう。

バジルは、イタリアと南フランスを通ってヨーロッパに持ち込まれました。そのため、伝統的なプロヴァンス料理やイタリア料理には欠かせない食材となっています。たとえば、ソースピストゥといわれるバジルソース、あなたも知っているのではないでしょうか?

バジルには 150 種類以上の品種がありますが、消化器疾患の治療のために使用されているのはほんの一部です。消化器や腸のバランスを整え、ストレスや緊張を和らげる味方でもあります。

有機リナロールを含むバジルリナロールという精油は、トロピカルバジルと同様の特性を持っていますが、二つを比べると、リナロールが豊富であるため浄化作用はより強く、腸の不調を改善する作用は少し弱いといわれています。皮膚に対しては問題が少なく、化粧品のための香りづけに用いると、驚くべき香りの効果をもたらします。もちろん、料理のレシピに加えれば、特有のおいしい風味をもたらします。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :無色から淡黄色の液体

主成分:メチルカビコール、リナロール、E-α-ベルガモテン

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME