冬の始まりに暖かなスパイスの香り
A&P LE JOURNAL OCTOBRE 2024
本日ご紹介するのは 、カルダモンです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。
冬の始まるこの時期に思い起こすのは、インドに出張した時の風景です。私は、葦のようにも見える茎に、香りの詰まったカプセルを持ったカルダモンの育つ畑を訪れました。カルダモンの精油には、シトラスを感じさせるフレッシュさとスパイシーさを感じさせる香りがあります。
CARDAMOME(カルダモン)
Elettaria cardamomum
科名 : ショウガ科
採油部分 : 種子
収穫時期 : 1月~3月、10月~12月
カルダモンはインドの熱帯林に自生する植物で、根茎を持つ多年草です。葦のような茎を持ち長いさやのような葉が伸びています。熟した果実は蒴果(さくか/果実の型のひとつ、熟した果皮は乾燥し、種を飛び散らす)と呼ばれるタイプのもので、20個ほどの黒色の香り高い小さな種子を持っています。
古代のスパイスではカルダモンは、料理に風味をつけるために用いられたり、浄化のために長い間使われたりしてきました。グルメな香りには高い市場価値があり、「スパイスの女王」として位置づけられていたのです。
インドやパキスタンでは、神との交信のために使われていました。香りの詰まったカルダモンの実は、宗教的な儀式の際に、サンダルウッドとカステリラを添えてお香として焚かれていました。
カルダモンの香りには、シトラスの印象を持つフレッシュさとスパイシーな暖かさの二つの側面があります。
「スパイスの女王」は、ブラックペッパーと同じく、ケーララ地方とマラバール海岸が原産地です。古くからカルダモンは自然の中で育っていましたが、現在は、インドとグアテマラで栽培されています。
カルダモンの生産性を考慮すれば、発芽から5年を待たなくてはなりません。しかし、そのあと15年間もの間、収穫が続けられることもあります。カルダモンの実は、緑色が褪せ始める成熟前のタイミングで収穫され、熟した果実は自然に口を開いて、そこから貴重なカルダモンの種子が放たれます。
主な収穫時期は冬です。収穫は、ハサミを使ってひとつひとつ手作業で行われます。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :無色~黄褐色の液体
主成分:酢酸 α-テルペニル、1,8-シネオール、酢酸リナリル、リモネン
使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品
Jean-Claude DEYME