誘惑の香り、イランイラン
A&P LE JOURNAL JANVIER 2025
本日ご紹介するのは、イランイランです。
真冬の今日にふと思い起こすのは、コモロ諸島へ旅した時に見つけた甘い香りのする黄金色の花畑です。それは、コモロ諸島の中のひとつ、マイヨット島での出来事でした。
この島は、2024年12月に、巨大なサイクロンの到来により甚大な被害を受けました。その後1か月以上経つ今でも、多くの島の住民たちは問題をかかえたままです。温暖な気候のため、イランイランの収穫は一年を通して行われていますが、それでも何かしらの悪影響が及ぶことは必須でしょう。
アローム&パルファン・パリが取り扱うイランイラン精油には、マダガスカル島産のイランイランと、コモロ諸島産のイランイランの2種類があります。最高品質を持つイランイラン「エクストラ」は、コモロ諸島で採られたものです。それ以外のイランイラン「Ⅰ(ファースト)」、「Ⅱ(セカンド)」、「Ⅲ(サード)」の3種類は、マダガスカル島で採られたものです。
イランイランの花は、収穫されたその日に加工されます。ゆっくりと時間をかけて蒸留することで、フローラルでジャスミンノートを持つ精油が得られます。

YLANG YLANG (イランイラン)
Cananga odorata
科名 : バンレイシ科
採油部分 : 花
収穫時期 : 通年
イランイラン(Cananga odorata)は、東南アジア原産の木です。20世紀になってから、インド洋にもたらされました。現在、イランイランが栽培されているのは、コモロ諸島(とくにマイヨット島)、マダガスカル島で、いずれも熱帯または亜熱帯気候のこの花の栽培に適した土地です。
黄味がかった金色の花には、素晴らしい芳醇な香りがあり、それがこの花が求められる理由です。成熟すると花びらの付け根部分が赤くなります。これが収穫時期のサイン。
収穫は年中通して行われます。花びらに一日のうちで最も良い香りが含まれる早朝、芳香が採取されます。イランイランの花は一年を通して咲きますが、なかでも11月~3月にかけてが最も成長に勢いがあります。
花は傷つきやすく、香りも変わりやすいため、採油作業は収穫日のうちに行われます。採油方法によってイランイラン精油のグレードが分けられますが、「コンプリート」と呼ばれるものは、長時間をかけて採油作業が行われたもの。10時間程度が必要となるこの採油方法とは別に、採油する時間によってグレード分けする分留法も存在します。採油率は約2パーセント。「コンプリート」精油は、フローラルノート、ジャスミンの花の香りが感じ取られますが、「エクストラ」や「ファースト」よりも控えめな印象です。
イランイランとカナンガ(Cananga odorata forma macrophylla)は、混同されることがよくあります。同属で同種の植物ですが、これら二つの品種は異なります。カナンガ、イランイラン、いずれも木の高さは10メートルほどになります。ただし、収穫を容易にするために、2~3メートルの高さに保たれています。枝に咲く花が胸の高さになるようにしているのです。
アロマテラピーでは「コンプリート」がよく使用されますが、香水では分留によって得られた精油が用いられることが一般的です。イランイランにはリラックス効果があり、抗炎症効果があるとされており、アラリアに対しての治療にも用いられます。
マダガスカル島では、イランイラン風味のアイスクリームがあります。これに対して、インドネシアでは、コスメ製品やヘアケア製品の香りづけに用いられています。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :薄黄色~濃黄色の液体
主成分:ゲルマクレンD、ベンジルアセテート、αファルネセン
使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー、食品
Jean-Claude DEYME