心休まる温かな木の香り
A&P LE JOURNAL AVRL 2025
本日ご紹介するのは、シダーウッドバージニアです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。春を思いながら、アメリカ東海岸のロッキー山脈を旅していた時に、常緑の針葉と茶色の実のなるとても大きな木々が目に留まりました。精油が得られるのは心材から。水蒸気蒸留によって抽出され、おがくずや木くずから得られるのです。
E.CEDRE DE VIRGINIE(シダーウッドバージニア)
Juniperus virginiana L.
科名:ヒノキ科
採油部分 : 木
収穫時期 : 通年
シダーウッドバージニアは、成長が遅く、高さが30メートルにも達する大型の針葉樹です。北アメリカのロッキー山脈の東海岸が原産です。ヒノキ科に属し、ジュニパーおよびその近縁種であるヒノキと植物学的特性を共有しています。
常緑の葉は重なり合った鱗片と針葉で構成されており、果実は紫褐色の球状のベリーで、ジュニパーベリーを彷彿とさせます。心材が赤褐色であることから、「レッドシダー」とも呼ばれています。シダーウッドバージニアの精油は、アメリカの製材所から出るおがくずと削りくずから蒸留されます。精油の甘いウッディな香りは、アトラスシダーなどのウッディノートの特徴です。
1917年以前は、レッドシダー材は主に鉛筆の製造に使用されていました。この活動によって、太くてまっすぐで節のない幹と豊富な心材を持つ古い野生の木だけが消費されました。木材の残留物はエッセンシャルオイルの蒸留のために回収されました。しかし、1910年以降、天然資源が枯渇し始め、鉛筆の生産は減少し始めます。1917年以降、蒸留会社はシダーウッドバージニアのおがくずや削りくずの供給を得るために家具製造業界に目を向けるようになりました。使用する木は若く、辺材部分が多いですが、生成されるエッセンシャルオイルの品質には影響はありません。現在、シダーウッドバージニアの精油は、このような方法で手にすることが出来るのです。
心休まる豊かな木の香りと、ドライな印象も併せ持つシダーウッドバージニア。ウッディノートの骨格を作り、シャープな印象を与えてくれます。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :無色~黄色の粘性のある液体
主成分:セドレンα+フネブレンβ、セドロール、クパレン
使用方法:アロマテラピー、フレグランス類、化粧品類、食品
Jean-Claude DEYME