始まる秋に

A&P LE JOURNAL OCTOBRE 2022

本日ご紹介するのは、パチュリです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。始まる秋に想いを馳せながら、あなたにぜひ紹介したいと思いついた精油はパチュリ。今月は、私がインドネシアに滞在していた時に出逢ったパチュリについてお話しましょう。豊かに伸びる葉をつけた背の低い植物、パチュリ。この植物からは、香り高いオイルが収穫されます。精油は植物の上部の葉のみから抽出されます。なぜなら、香りのよさもさることながら、若い葉は収穫率より良いからです。

 

PATCHOULI (パチュリ)

Pogostemon cablin

 

科名 : シソ科
採油部分 : 葉・枝
収穫時期 : 通年

 

パチュリはインドネシアが原産です。一年を通して緑色の葉を持つ常緑の亜低木で、亜熱帯の豊かな土壌、日陰で育つ芳香植物です。地上に茎がまっすぐと伸び、その茎からは芳香を持つ豊かな葉が広がります。パチュリという名前は、タミル語で「緑」を意味する「Patch」と、「葉」を意味する「ilai」から作られたもの。パチュリの名前は、その緑の葉をたたえたものです。

パチュリの若い葉には、より多くのエッセンシャルオイルが含まれていることから、収穫の際には、先端部分にある葉が切り取られます。ベチバー・ハートと並んで、パチュリ・ハートという精油が存在しますが、これは、通常のパチュリ精油を精留することで得られるものです。精留というプロセスによって、パチュリの香りを特徴づけるパチュロールをふんだんに含む精油、パチュリ・ハートが得られるのです。パチュリ・ハートの香りは、通常のパチュリに比べて、よりウッディで力強く、土の香りが感じられ、ノーブルなイメージも備わります。

パチュリの香りは、インドとインドネシアからの香り付きショールの輸入を通じて西洋にもたらされました。病みつきになるような香りを持つパチュリは、しかし、1844年にロンドンに葉を詰めた貨物が到着するまでは、謎の存在でした。以来、パチュリの香りのカリスマ性は歴史に刻まれることになります。自由と官能を彷彿とさせるその香りは、1960年代のヒッピーブームの象徴ともいえるでしょう。

香水においては、パチュリ精油はオリエンタルの香りの背景を作るために頻繁に使われます。ローズやシプレの香りと共に使用されることも。また、パチュリはベチバーやオークモス、花々の香りとよく調和し、素晴らしい香りを作り出します。さらに、チョコレートアコードのためにもよく使われています。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :薄黄色~黄色の粘性のある液体

主成分:パチュロール、ブルネセンα

使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー、食品

 

Jean-Claude DEYME