そろそろ、秋。

A&P LE JOURNAL SEPTEMBER 2022

本日ご紹介するのは、オレンジスイートです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。そろそろ秋の気配を感じられるようになった今、あなたにぜひ紹介したいのが、オレンジスイートの精油です。私はポルトガルのとあるスイートオレンジの果樹園で、つややかな深緑色の葉に隠れた果実が鈴なりになっていた様子を見たことがあります。

オレンジスイートの花は白色をしていて、何ともいえない優しい香りがします。けれども、果実から採られる精油は、全くのシトラス。そして、甘くてフルーティです。

オレンジスイート

 

ORANGE DOUCE(オレンジスイート)

Citrus sinensis

 

科名 : ミカン科
採油部分 : 果皮
収穫時期 : 8月、9

 

オレンジスイートの主成分は、モノテルペン(リモネンが92-97%)、モノテルペンアルコール(リナロール)、アルデヒド、そしてクマリンです。

幹は、丸みを帯びていて、甘酸っぱい果実を実らせます。咲く花は、高価な精油としても知られるオレンジフラワー。覆いしげる深く鮮やかな緑色の葉の下に隠れて咲いています。果皮から採れる精油は、甘くてフルーティ、そしてみずみずしさをもったシトラスの香りです。

「オレンジ」という名前は、その香りに由来しています。「オレンジ」は、サンスクリット語の「naranga」または「narunga」からきたもので、香水を意味する「nar」がそのもとになっています。スペイン語では、「naranja」。アラビア語の「naranj」に由来していることが、お分かりになるでしょう。

もともとはアジアで自生していて、おそらくは中国が原産だと考えられています。ヨーロッパに入ったのは、ビガラードとも呼ばれるビターオレンジで、オレンジスイートは、インドに渡ったポルトガルの航海者たちによってヨーロッパにもたらされたようです。その最初に到来したオレンジスイートは、リスボンにあるサンローラン伯爵の庭に植えられました。このことから、別名「ポルトガルのオレンジ」が付けられました。そして、クリストファー・コロンブスが2回目の航海をした時に、オレンジの木とレモンの木はアメリカに紹介されることになりました。

オレンジスイートの精油の香りには、鎮静効果があると言われています。心に落ち着きをもたらし、安らかな眠りを誘うその香りは、バスタイムに最適です。神経を和らげて、バランスを整え、不安や興奮を沈めます。吐き気を抑える作用、優れた消化作用、そして強壮作用も。さらに、細心の注意が必要ではありますが、そのまま皮膚に塗ってハチに刺された時の痛みを和らげたり、皮膚のたるみ防止としても活用されています。実に様々な期待が寄せられる精油です。大いに、そしてくれぐれも注意深く活用してください。

 

採油方法:圧搾法

外観 :黄色~オレンジ色の液体

主成分:リモネン、ミルセン

使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー、食品

 

Jean-Claude DEYME