冬に採油されるエッセンシャルオイル

A&P LE JOURNAL JANVIER 2021

本日ご紹介するのは、レモンです。

今日もあなたの暮らしに喜びをと願いながら、最高の精油を探し続けています。冬真っ只中の今日、あなたにご紹介しようと思いついたのは、レモンです。爽やかで清潔感を感じさせるこの香りは、年間を通して収穫されますが、8月9月を避け、この時期に特に大きな収穫量をもたらす果実です。

地中海沿岸である南フランスの地で、私はこれまでいつも、レモンの木に咲く花やその果実を眺めるのが好きでした。レモンの木は、アジアに旅した時にも見かけています。しかし、どの地であれども、その木に咲く花の香りの、そのデリケートさといったらありません!

 

 

 

CITRON(レモン)

Citrus limon (L.) Burm. f.

科名 : ミカン科
採油部分 : 果皮
収穫時期 : 1月/2月/3月/4月/5月/6月/7月/10月/11月/12月

CAS TSCA : 8008-56-8
INCI : Citrus limon peel oil

 

インド原産のレモンの木は、世界中の誰もが知る酸味と爽やかな味わいを持つ果実を実らせます。半常緑の葉は小さく、まるでワックスをかけられたように輝き、花は白くなんとも言えない芳香を放ちます。若葉は赤色をしていて、時間と共に緑に色を変えていきます。果実レモンの表皮は黄色で、そこにはエッセンシャルオイル(精油)をたっぷりと含んだ油腺がちりばめられています。レモンの果実を絞る時に私たちが嗅ぐのは、この果皮から放たれる強い香りです。

精油は熟した果実の皮を常温で絞り出したものです。果実はレモンの木に年中実り、実ったものから手作業によって収穫されます。採油されたレモンの精油は、柑橘系の甘さを含んだ香りを持ちます。

レモンは、多くの柑橘類同様、ミカン科に属する植物です。アジアに育つ低木で、強くはなく、果実は苦すぎたり酸味が強すぎたりしたので食用に用いることができませんでした。数多くの交配と振り分けによって改良され、現在のオレンジスイート・ライム・ビガラードが生み出されることにもなりました。ちなみに、そのうちの1つ、セドラは、アレクサンダー大王がアジア遠征から戻ったときに地中海の港に輸入された最初の柑橘系の果物です。「メディアの林檎」、あるいは「ヘスペリドの庭の林檎」とも言われています。ヨーロッパでは、柑橘類は古代には存在しておらず、その後しばらくしてからアラビア人によってその他の柑橘類がもたらされることになりました。

レモンはビタミンCを豊富に含んでいることでよく知られていますが、1611年に誕生したという、阿片や毒蛇に対しての解毒作用を持つ「カルムメリッサ水薬」の成分としても古くから使われています。

 

採油方法:圧搾法

外観 :薄黄から濃黄の液体(低温で濁りが生じる)

主成分:リモネン、ベータピネン、ガンマテルピネン、シトラール

使用方法:アロマテラピー、フレグランス類、化粧品類、食品

 

Jean-Claude DEYME