秋の終わりに

A&P LE JOURNAL NOVEMBRE 2020

本日ご紹介するのは、ローレルリーフです。

日々、あなたの暮らしに喜びをと願いながら、最高の精油を探し続けています。そんな中で、秋の終わりにぜひご紹介しようと思いついたのが、ローレルリーフです。南仏プロヴァンスを思い起こさせる、ローレルリーフ(月桂樹の葉)の香り。地中海沿岸の乾いた土地に育つ木々の匂いです。そしてまた、ローレルリーフは、太陽を感じさせてくれる香り豊かな料理に欠かせない、ブーケガルニを構成する素材のひとつ。それに、キッチンにローリエのかわいらしいブーケを常備させておくことの幸せといったら…。料理好きの私にとって、この小さなブーケを持つことは、この上ない幸福です。

西インド諸島への旅行中、素晴らしいローリエを育てる人との出会いがありました。そして幸運なことに、蒸留業者を紹介してもらうチャンスを得ました。2017年のことです。私はそこで、これまでに体験したことのない最高品質のローリエに遭遇したのです。ワイルドかつ高貴さを放つその香りは、幸せそのものでした。

 

 

LAURIER(ローレルリーフ)

Laurus nobilis L.

科名 : クスノキ科
採油部分 :
収穫時期 : 10/11

CAS TSCA : 8002-41-3
INCI : Laurus nobilis leaf oil

 

ローレルは、またの名をノーブル・ローリエ(高貴な月桂樹)といいます。その名声は歴史に刻まれていて、栄光と成功の象徴である月桂樹の葉は、現在も勝利の花輪を作るために使用されています。月桂樹は、地中海沿岸諸国または小アジア原産といわれており、何千年も前から存在しています。古くから地中海沿岸地域のあらゆる場所で栽培されてきました。常緑の円錐形の木で、花は小さな黄色い星型。黒色のたっぷりとした肉厚の果実を作ります。葉は濃い緑色をしていて滑らか。力強い芳香を持っています。これを蒸留して精油を生産するのです。ローレルリーフの精油の香りは、ユーカリ・グロブルス様の香りを持つアロマティックノート。ウッディノートも感じ取れます。わずかなスパイシーさは、カユプテの香りを彷彿とさせるものです。

古代より、月桂樹は身分の高さを表す象徴として用いられ、月桂樹の枝や冠の形は、神々のシンボルでした。月桂樹の冠は、勝利を収めたローマの将軍に与えられる名誉であり、スポーツの勝者へ与えられる褒章でもありました。その後、月桂樹は皇帝の権力を示すようになります。

ギリシャとローマの神話では、月桂樹はアポロの象徴です。アポロの初恋の人であるニンフのダフネは、求婚者から逃れることができるようにと月桂樹に変えられてしまいます。以来、アポロは月桂樹を勝利、歌、詩にささげられるものとしたのです。「アポロの月桂樹」と呼ばれる由来です。

古代から語られてきたマジカルかつ神秘的な力のみでなく、薬用植物としてもよく知られてきた月桂樹ですが、次第にそのことは忘れられ、今日、ローレルリーフといえば、料理用ハーブでしょう。料理に使われる香草として広く知られています。

 

採油方法:水蒸気蒸留

外観 :無色から黄色の粘性の低い液体

主成分:シネオール-1,8、酢酸テルペニル、サビネン

使用方法:アロマテラピー、フレグランス類、化粧品類、食品

 

Jean-Claude DEYME