神の悟りへ導く香り

A&P LE JOURNAL SEPTEMBRE 2024

本日ご紹介するのは 、クラリセージです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。

終わる夏のことを思いながら、フランスのドローム県を旅したことを思い出していました。ここはクラリセージの産地として有名。当社では15年以上前からロシアからクラリセージを仕入れていますが、クラリセージの育つ畑を初めて訪れた時の、その香りに圧倒された記憶は頭から離れません。

鮮やかな青緑色をして、綿のようなうぶ毛をつけたクラリセージの葉から得られる、青臭い葉っぱの香り。精油の色は黄色、または茶色……

 

 

SAUGE SCLARÉE(クラリセージ)

Salvia sclarea

科名 : シソ科
採油部分 : 葉、花
収穫時期 : 7月~10月

 

クラリセージの原産地は、南ヨーロッパと中央アジアです。心を元気にしてくれるような香りを持つ香草で、楕円形の大きな葉の表面は綿毛のようにやわらかで、緑がかった灰色をしています。手ですり潰すと甘い蜂蜜のような麝香の香りが漂うことから、「ムスクセージ」という愛称がつきました。

茎は天に向かって真っすぐと伸びます。その先端には小さな薄ピンクの花。植物全体に芳香があるのは、すべてがエッセンシャルオイルをはらんだ腺毛で覆われているからです。植物の土から上の部分を開花中に収穫し、野原にそのまま置いて乾燥させます。

多くの場合、蒸留されるのは乾燥させたクラリセージからです。こうして得られるのがいわゆる「伝統的な」精油です。その香りは草のように青臭い香りを持ち、タバコを思わせるドライなノートと、樟脳を感じさせる干し草用の香りを持ちます。

蒸留は乾燥させないフレッシュなクラリセージでも行うことができます。この精油は「グリーンミルド」品質となりますが、前述の品質とほとんど変わりません。

クラリセージは、薬用効果があることからアロマテラピーでも頻繁に使われる精油ですが、それのみでなく古代から香りを楽しむために使われてきました。多くの古文書には、神の宝物として崇められていたその香りについて言及されています。インドの偉大な賢者であるライシスによれば、この香りには神の悟りへ導く力があるとのこと。

私たちの先祖は、薬効があることをよく知っていたようです。その証拠として、古くから呼ばれていた別名に「すべてよい」または「傷のハーブ」というものがありました。クラリセージの学名は、「救う」を意味するラテン語のsalvaroまたはsalveoと、「清める」「明確にする」を意味するclarusに由来しています。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :無色~黄褐色の液体

主成分:酢酸リナリル 、ゲルマクレン、リナロール

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME