冬を楽しく
A&P LE JOURNAL JANVIER 2022
本日ご紹介するのは、グレープフルーツです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。冬真っ只中の今、あなたにご紹介したいのは、グレープフルーツの精油です。特徴ある苦さを持ったシトラスの香りのこの柑橘。私はフロリダを訪れた時に、広大なグレープフルーツ農園を見学したことがありました。
木は10メートルにまで成長するものもありました。その木から果実がもぎ取られ、そして果実の皮から、精油が採られるのです。
Citrus paradisi
科名 : ミカン科
採油部分 : 果皮
収穫時期 : 1月~5月
グレープフルーツは、亜熱帯の木になる柑橘類で、その起源は確かなことが分かっていません。現在、一般的に考えられているのは、ブンタン(Citrus grandis)とスイートオレンジ(Citrus sinensis)が自然に交配して誕生したということです。1750年、西インド諸島にあるバルバドスで植物学者ヒューグによって交配され、栽培されたともいわれています。このことから、「バルバドス・グレープフルーツ」という別名を持ちます。
常緑樹であるグレープフルーツには、光沢のある葉、白い花、そして黄金の果実がなります。果皮は香り高いオイルに満ちた小さな腺で覆われています。果皮から精油を取り出す作業は、低温度で行われ、採り出される精油の香りは、果皮特有のフレッシュでビター、甘酸っぱくてフルーティ。
アメリカ、南アフリカ、イスラエルで栽培されていますが、世界で最大の産地はフロリダです。これは、メキシコ湾の海岸にあるフロリダの地が、グレープフルーツの栽培に適した穏やかな気候と適度な湿度に恵まれているからです。
7年から10年で7~8メートルにまで育ちますが、果実の収穫はそれまで待たなくてはなりません。収穫時期は、オレンジとほぼ同じ。気象条件がそろえば、年に2回目の収穫が行われることもあります。
オーデコロンの原材料としても頻繁に使用されるグレープフルーツ。ベチバーの香りを組み合わせることで香りにボリュームが生まれ、フローラルノートと共に用いることで、香りにアルデヒドのフレッシュさを与えてくれます。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :無色~淡黄色の液体
主成分:β-サンタロール、α-サンタロールセスキテルペンアルコール
使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー
Jean-Claude DEYME