研ぎ澄まされた冬の香り

A&P LE JOURNAL DECEMBRE 2022

本日ご紹介するのは、ベルガモットです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。冬の到来を感じる今、あなたにぜひ紹介したい精油は、ベルガモットです。今月は、私がイタリアを旅しながら見つけ出した、素晴らしいベルガモット精油のお話をしましょう。

ベルガモットの精油は、熟した果実の果皮を低温で圧搾して得られます。この後にもうひとつのステップとなる蒸留作業が施されると、ベルガプテンを除去したベルガモット精油が得られます。

アローム&パルファン・パリでみなさまに提案するベルガモット精油には、これらの作業を一切施さない、完全なるピュア精油の「ベルガモットピュア」、そしてもう一つ、ベルガプテンを取り除いたベルガモット精油で、化粧品製造にも実際に用いられている「ベルガモットFCF」の、二種類が存在します。

 

BERGAMOTE (ベルガモット)

Citrus bergamia

科名 : ミカン科
採油部分 : 果皮
収穫時期 : 1月/2月/3月

 

ベルガモットの学名は、Citrus bergamia。Citrus aurantium subsp bergamiaと紹介されることもあります。主に、イタリアのシチリアとカラブリア地方で栽培されている柑橘類で、この果実を実らせるベルガモットの木は野生には存在しません。高さは4~5メートル、酸味と苦みのある果肉を持つ実をつけるベルガモットの木は、遠い昔、ビターオレンジの木とレモンの木が交配されて生まれたとされています。春になると、非常に香りのよい白い花を沢山咲かせます。そして12月から3月にかけて、小さな黄緑色の果実を実らせます。

ベルガプテンを含まないベルガモットFCF精油は、熟した果実の果皮を低温で圧搾した後、有害となる光感作成分ベルガプテンを除去するために水蒸気蒸留法で蒸留することによって得られます。この再処理によって、香水やその他の化粧品に使用できる安全な品質のベルガモットが得られるのです。

ベルガプテンフリーであるベルガモットFCF精油は、香気成分が精製されていることから、フレッシュで生き生きとした香りやベルガモット特有のビターな香りをそのまま保ちつつ、色素がなくなって無色となり香りの保留性も高まります。バスタイムで香りのないボディーシャンプーやヘアシャンプーに数滴入れて楽しんだり、マッサージオイルに入れてフェイシャルケアやボディケア、ヘアケア用として使ったりと、様々なシーンで安心して使うことができます。

一方、ベルガモットピュア精油は、深い緑色をしています。香りにはより深みが感じられるでしょう。みずみずしいシトラスノートの中にわずかにフルーティノートが含まれていて、より自然のままの果実に近い香りです。ベルガモットピュア精油のインパクトのあるシトラスの香りは、ルームフレグランスとして楽しむことをお勧めします。

 

採油方法:圧搾法(水蒸気蒸留によりベルガプテンを除去)

外観 :無色~薄黄色の液体(ベルガモットFCF)、緑色の液体(ベルガモットピュア)

主成分:リモネン、酢酸リナリル、リナロール

使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー、食品

 

Jean-Claude DEYME