日本の柑橘といえば?

A&P LE JOURNAL JUIN 2024

本日ご紹介するのは 、ユズです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。

初夏の空気を吸い込みながら、日本を旅したことを思い出していました。旅先で目にしたユズの木には、緑色から黄色に変わりかけた、少しゴツゴツした皮をした実がなっていました。もちろん、その実を収穫して蒸留する様子を見学させてもらうよう生産者の方に頼んだのですが、秋を待たなくてはならないとのこと。代わりに精油の瓶を差し出されて私は、ほのかに甘く穏やかで、レモンに似た柑橘の香りを体験したのです。

 

 

YUZU(ユズ)

Citrus junos

科名 : みかん科
採油部分 : 果皮
収穫時期 : 10月、11

 

原産は中国。寒さにとても強い性質の低木の植物です。中国から日本に渡り、現在では日本が世界で最も高い生産量を誇ります。主な生産地はアジア諸国ですが、近年はヨーロッパでの人気が高く、スペインなどでも生産が行われるようになりました。

ユズは、マンダリンとライムのハイブレッド柑橘です。詳しくは、野生のマンダリンと、学名Citrus ichangensisの交配種。ユズに親しみのない国の人々にとって、ユズはグレープフルーツに似ているようです。ただし、果肉が少なく、果皮は滑らかではなく、種が多いところが特徴。グレープフルーツとマンダリンの両方の風味を持ち合わせていると説明されています。

香水や食品への使用はもとより、香りのよさからリラクゼーション効果があるとされ、神経系のバランスを取り戻すのに非常に有効な柑橘類です。ユズ生産国である日本では、伝統的に料理(ソース、ケーキ、酒類、椀物など)に使用してきました。しかし、2000年代を超えた頃から国境を越えて西洋の料理にも使われるようになりました。

水蒸気蒸留法によって得られるユズ精油には、光感作の危険性はありません。ヨーロッパでは、ライムの香りに近いと感じ取る人もあり、香りの感じ取られ方は人によって異なるようですが、上質な柑橘の香りにパウダリーノートが重ねられたやわらかなユズの香りは、とくに香水界で高く評価されています。

日本ではユズ湯に入る習慣があります。ユズをまるごと湯船に浮かべてその中に身体を滑り込ませると、甘い香りに包まれた極上のリラクゼーションが得られます。リラックス効果から良質の睡眠を誘う香りとも言われ、また脂性肌のケアにもよいとされるユズは、まさに日本を代表する柑橘と言えるでしょう。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :無色~薄黄色の液体

主成分:リモネン、リナロール、ミルセン、テルピネンγ、フェランドレンα

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME