神聖な木の香りとは?
A&P LE JOURNAL AVRIL 2022
本日ご紹介するのは、ガイアックウッドです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。太陽の光が眩しくなってきた今、あなたに紹介するのは、ガイアックウッド。野生で育つこの木の幹は、お香を連想させるウッディで甘く、スモーキーな香りを持つ精油を生み出します。アルゼンチン、パラグアイ、と南米を旅したとき、私はこれらの木に、緑の葉と白い花があるのを見ました。明るいオレンジイエローの果実ができるのだそう。そして、幹から精油を抽出する様子を見学することができました。
Bulnesia sarmienti
科名 : ハクビシ科
採油部分 : 木部心材
収穫時期 : 1月~12月
ガイアックウッドは、ラテンアメリカのジャングルに育つ野生の木です。アルゼンチンとパラグアイの一部が含まれるグランチャコ地方に多く生育しています。常緑樹であるガイアックウッドはたっぷりと葉に覆われていて、その葉は短く薄緑色、楕円形をしています。小さな青色の花を咲かせると、花の色は、時間と共に白色に変化していきます。
果実はまるでさくらんぼのような姿で、色はオレンジイエロー。そして、厚く滑らかな灰色の樹皮が香りのよい幹を覆っています。
心材は、オークよりも硬いと言われています。サンダルウッドを彷彿とさせる、ウッディで甘い香りをしていて、そこにスモーキーノートが感じとられるのがガイアックウッドの特徴。アミリスの木と同様に、樹齢が精油の香りに影響を与えます。
地元では、ガイアックウッドのことをスペイン語で「神聖な木」を意味する「Palo Santo 」と呼んでいます。伝統的にお香として使用され、大気を浄化し、悪霊を追い払うためにこの木に火がともされてきました。
ガイアックウッドの精油が初めて販売されたのは、1891年のことでした。そして、パラグアイの首都に生産工場が設立されたのは1938年。しかし、生産プランが整えられていなかったために、一時、天然資源が途絶える危機を迎えたこともあります。このことから、ガイアックウッドは現在、ローズウッドと同様に、商業取引を管理するCITES条約(絶滅危惧種の国際取引に関する条約)によって保護されています。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :濃い黄色から薄茶色の個体
主成分:ブルネソル、グアイオール
使用方法:フレグランス類、アロマテラピー
Jean-Claude DEYME