芳しき夏の花

A&P LE JOURNAL JUILLET 2022

本日ご紹介するのは、カモミールローマンです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。真っ只中の夏の今、あなたに紹介するのは、カモミールローマンです。南フランスを旅した時、うっすらと淡い黄色の畑が目の前に広がりました。その美しい光景をみた瞬間のことは、今でも忘れられません。花の咲く土の上では、夏の暑い太陽に照らされて、フルーティでなんとも言えない芳香が放たれていました。私は、その花から香りが抽出される伝統的な様子を見学することができました。

カモミールローマン

CAMOMILLE ROMAINE(カモミールローマン)

Chamaemelum nobile

科名 : キク科
採油部分 : 花弁
収穫時期 : 7月、8

 

花の香りは、よく熟れたリンゴのようなフルーティさを持ちます。カモミールは古代エジプトでは神聖な植物とされていて、太陽の神に捧げられていました。4000年以上に渡って、カモミールローマンはその価値を認められてきた様子は、いずれの古代ヨーロッパの植物標本の中にも記されていることからも分かります。

学名は、「Chamaemelum nobile」。Anthemis nobilis L.と書かれることもあります。中央ヨーロッパ原産のキク科の植物で、主にイタリア、中央フランスと西フランス、イギリス、スイス、ベルギーで栽培されています。

低地で水はけのよい珪質の土壌で良く育ち、イタリアでは6月から7月にかけて、フランスでは7月から8月にかけてが花の収穫時期です。ちなみに、花が収穫されるのは、2年間育てられた後のことです。

カモミールローマンの花は、伝統的な方法で箱の中に入れられたまま熱い蒸気にかけられます。そして、蒸留が行われるタンクの中で、素晴らしい精油が生み出されるのです。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :無色透明~緑がかった黄色の液体

主成分:アンゼリカ酸イソブチル、アンゼリカ酸イソアミル、アンゼリカ酸メチルラリル、ピノカルボン、アンゼリカ酸-2-メチルブチル

使用方法:フレグランス類、アロマテラピー、コスメティック、食品

 

Jean-Claude DEYME