夏の精油
A&P LE JOURNAL AOUT 2021
本日ご紹介するのは、バジルトロピカルです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。夏真っ只中のこの時期、あなたにお伝えしたいのがバジルの香りです。トロピカル、エキゾチックなどの形容詞がつけられるバジルで、少しアニスノートを持つ、フレッシュでスパイシーな精油。ベトナムを旅した際に出合った植物です。細い茎につく緑の葉から水蒸気蒸留で採油される、黄色から琥珀色の美しい色をさせた印象深い精油です。
Ocimum basilicum
科名 : シソ科
採油部分 : 全草
収穫時期 : 8月9月10月
もともと「basilic」という言葉は、視線が合うと殺されるといわれる神話上の蛇を指すものでした。14世紀以降、この植物のことも指すようになりましたが、これは、すべての蛇の中において王であるとされた「basilic」が、当時の王の食卓にのぼっていたことに関係します。
原産地は、 中央アフリカ。インドで栽培されるようになったあと、アジア全域に広がり、紀元前300年のアレキサンダー大王の兵士たちによって、西側のヨーロッパにも伝えられたといわれています。これらの何度かにわたる旅が、数百種もあるバジルが世界各地で選択され、現在の特長のあるいくつかのバジル精油が存在しています。
甘草の香りが強いタイ産バジルや、薬効効果があることで知られるバジルグランヴェールとは異なるものではありますが、バジルトロピカルにも高い薬効効果があるとされています。
トロピカル、エキゾチックと名付けられる種類のバジルの学名は、Ocimum basilicum var. basilicum です。
バジルの生化学的組成は、製造条件によって変化しやすいものの、主な構成をエステル類が80〜90%で、そのほとんどがメチルチャビコール、その他には、モノテルペノール類とオキサイド類が3〜5%の割合で含まれています。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :薄黄色~琥珀色の液体
主成分:メチルチャビコール、リナロール
使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー、食品
Jean-Claude DEYME