味わい深い冬

A&P LE JOURNAL DECEMBRE 2023

本日ご紹介するのは、コーヒーです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。この冬の始まりに思い起こすのが、エルサルバドルを旅した時のことです。旅の途中、サクランボのような小さな実をつけた背の低いコーヒーの木のある場所を訪れました。

これらの実は乾燥させられた後、いくつかの方法で精油が得られます。その香りは、タバコが香るウッディ&スパイシーノート。チョコレートのような香りも感じとられます。それで、ユニークな表情を作り出す香水の原材料として、ますます注目を集めているのです。 

 

CAFE(コーヒー)

Coffea arabica

科名 : アカネ科
採油部分 : 豆(焙煎)
収穫時期 : 1、2、312月

 

青々とした葉を茂らせる小さなコーヒーの木。栽培が行われているのは、エルサルバドル南部の火山が連なる海抜1000 ~ 1500 メートルです。北回帰線とエクアドルの間に位置するエルサルバドルの火山土壌は、非常に香り高い豆を育てます。最も高貴なコーヒーの 1 つである『Coffea arabica L.』 から採り出される精油には、焙煎したてのコーヒー特有の包容力ある力強い香りがあります。

コーヒーの白い花が咲くのは春の半ばで、ジャスミンの開花時期と同じです。この頃、山肌は白い花びらで覆われ、私たちに素晴らしい景色を楽しませてくれます。白い花が散り、赤い果実が実るのは11月が訪れる頃です。この果実の中心部に2つの豆があって、これを粘液と厚い皮が取り囲んでいます。

コーヒー豆の収穫時期は1月から4月にかけてです。赤くなったのが成熟したという証拠。枝に実った赤い実は、収穫の後、焙煎などのさまざまな加工を加えられて、精油を抽出される状態にされます。

様々な種類がありますが、私があなたに特におすすめしたいのが、イタリアで焙煎したコーヒー豆から採りだされた精油です。それも、二酸化炭素超臨界蒸留法で得られる精油です。クリアでダイレクトな焙煎したての香りは、他にはない喜びをあなたに教えてくれることでしょう。穀物やバニラのニュアンスのある、乾いたウッディノートと柔らかさがこの精油の香りの特徴です。

その豊かな香りを得るためには、収穫時にひと手間欠ける必要があります。なぜなら、コーヒーのひとつの枝には、成熟段階の異なる実がつけられているからです。そこで、密度の違いによって水中で仕分けが行われ、緑色と赤色の実が分類されます。成長が充分でない緑色の実がこの時除去される理由は、これらの成熟していない実によって香りの品質が大きく変えられてしまう可能性があるということ。

赤い実のみが洗浄されて、天日で2週間乾燥させられ、そしていよいよ抽出前の焙煎がなされるわけですが、ポイントはイタリアの技術で焙煎されたコーヒー豆であること。これも豊かな香りを得るための、原材料へのこだわりです。

 

採油方法:二酸化炭素超臨界抽出法

外観 :暗褐色の粘性の高い液体

主成分:脂肪酸、ジテルペノイド、カフェイン

使用方法:アロマテラピー、香水、化粧品、食品

 

Jean-Claude DEYME