春の香り
A&P LE JOURNAL AVRIL 2021
本日ご紹介するのは、ユーカリレモンです。
あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油を探し求めています。春が到来した今、あなたにご紹介しようと考えたのはユーカリレモン。ちょっぴりレモン風、そしてカンファ―な香り。私たちに爽やかさをもたらせてくれる精油です。
ある春、マダガスカルを旅していた時に、私はその木々を見ました。大きくて、青く銀色に光る長い葉を持つユーカリの木。ハーバルで、フレッシュなレモンの香りを放っていました。ユーカリグロブルスの木が初めてヨーロッパにもたらされたのは、1825年のことで、タスマニアからやってきて、そのあとオーストラリアの精油も運び込まれることになります。ユーカリレモンの木がマダガスカルにもたらされたのは、またその後のことです。現在、ユーカリグロブルスの木が地中海全域に、そしてユーカリレモンがマガダスカルの島に生育するようになったのは、それぞれに温暖な気候がよく合っていたからです。
Eucalyptus citriodora
科名 : フトモモ科
採油部分 : 葉
収穫時期 : 4月5月6月
ユーカリの精油には様々な種類がありますが、その中でも、ユーカリレモンの精油には、極めて優れた抗炎症作用があることでよく知られています。そのため、関節や筋肉の痛みがある場合のマッサージには、この精油を使うことを推奨されています。それに、神経を落ち着かせてくれる心地よいレモンの香りがあるのです!
ユーカリの名前は、「密閉された花」に由来しています。「eu kaluptos」は、ギリシャ語でしっかりと隠されていることを意味する言葉です。
ユーカリには様々な種類が存在し、主にオーストラリアとニューギニアを原産地とするもので、その数は100以上。ほとんどはユーカリグロブルスによく似た性質を持っていますが、そうでないものも存在し、大きく分けると2つのグループに分けることができます。
南アメリカを原産とするユーカリレモンは、その後者のグループの1つです。葉には、シトロネラールが豊富に含まれており、そのためレモンのような香調を持ちます。ユーカリレモンは水蒸気蒸留で得られる精油ですが、ユーカリグロブルスの精油が持つ典型的な性質とは異なり、呼吸器への効果は期待できません。代わりに、関節痛に効果的であり、蚊を追い払ったりもしてくれるレモン風の香りを持つので快適な夏を過ごすのに効果的な精油だといえるでしょう。
採油方法:水蒸気蒸留法
外観 :無色の液体
主成分:シトロネラール、イソプレゴール、シトロネロール
使用方法:アロマテラピー、フレグランス類、化粧品類
アレルゲン:シトロネロール(≤8 %)、リナロール(≤1 %)、オイゲノール(≤1 %)、ゲラニオール(≤0,5 %)、リモネン(0,5 %)、シトラール(≤0,2 %)
Jean-Claude DEYME