冬の到来に

A&P LE JOURNAL DECEMBRE 2021

本日ご紹介するのは、サンダルウッドです。

あなたの暮らしに喜びをと願いながら、今日も最高の精油探しを続けています。いよいよ冬が始まった今、あなたにご紹介したいのが、サンダルウッドの精油です。香り高いこの木は、お香作りに欠かせない3つの原材料のうちのひとつです。

ニューカレドニアに旅した時に、サンダルウッドの木を収穫する人たちから、抽出に使う木の選び方や伐採の様子を見せてもらうチャンスがありました。採油に使われるのは心材です。倒した木からこの部分を取り出し乾燥させて、重さにすれば20%ほど軽くなるまで保管します。その後、サンダルウッドの心材部分は、小さく切り砕かれて、精油の抽出作業に備えるのです。

この精油から香り立つのは、優しい木の香り。甘くミルキーな懐かさを彷彿とさせる香りです。 

 

 

SANTAL(サンダルウッド)

Santalum austro-caledonicum Vieill.

科名 : ビャクダン科
採油部分 : 木(心材)
収穫時期 : 一年を通して収穫されます

 

サンダルウッドは、深い色をした樹皮と明るい色の心材を持つ小さな木です。この香り高い木は、長い間、宗教的な儀式に用いられてきました。仏教では、丁子(クローブ)、沈香と共に、お香に使われる3種類の原材料のうちのひとつとされています。

サンダルウッドにもいろいろあり、Santalum austro-caledonicum の種類のものは、インド種のSantalum albumとは異なります。Santalum austro-caledonicumは、ニューカレドニアとバヌアツに生育します。

半寄生植物であることから、寄生する植物よりミネラルや水分を吸収して成長し、森の中では、偽ガイアックウッド(アカシアスピロビス)と共に生息し、植林される場合には、ツルノゲイトウ属などの小さな植物と共に育てられています。

植林で働く専門家たちが、ハンマーで叩いて蒸留用の木の識別を行います。そして、伐採を行えるのは、自然の営みに合わせた割合です。

サンダルウッドの精油は、その他の木の香りと組み合わせて用いられますが、オリエンタルタイプのバニラ調やバルサミック調の香りとも組み合わせられることもあります。また、ローズやジャスミンなどの花の香りにを引き立ている役割も果たします。

 

採油方法:水蒸気蒸留法

外観 :無色~淡黄色の液体

主成分:β-サンタロール、α-サンタロールセスキテルペンアルコール

使用方法:フレグランス類、化粧品類、アロマテラピー

 

Jean-Claude DEYME